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「Agile Conference2012」に参加された方をパネラーとして行われたパネルディスカッションでした。
大変、興味深い内容であったとともに、Agile Conference に行ってみたいなと思いました。
いくつかのテーマに従って議論は進みました。
アナログかデジタルツールか?
アナログツールは始めるのが簡単で改善できるところがよいけど、スケールアウトさせたり分散した環境で使うとかベロシティの自動レポートはデジタルがよいよね。という結論でした。いずれアトラシアンの「グリーンホッパー」は使ってみたい。
Enterprise Agileについて
「アジャイル開発手法」という言葉があるが、誤解を招きやすい。Agile Conf 2012 でも組織や個人の自己改善などマインドセットを変えていく視点のセッションが多数あったとのことだった。
アジャイル開発から入るのもよいが、いずれはアジャイルな組織として会社自体を改善していきたいという流れに欧米ではなっている。
欧米では10年前に「アジャイル開発は使える」という判断がされて、それがよいのはベースとして、Do Agile から Be Agile が課題になってきている。一方、日本では10年前にアジャイル開発の一つの手法であるXPが流行ったが、10年経っても欧米のような広がりを見せていない。これはどういうことだろう。単に流行のプロセスが遅いだけなのか、10年後には広まっているのか。
正直、日本で広まっていくという感触はまだ得られていない。欧米ではユーザ企業がソフトウェア開発をしっかり自分たちでやっているところが多い一方、日本ではソフトウェア開発者はSIerなどの外部会社にいて、外注する方式をとっていることが多い。
欧米のユーザ企業では、競争相手に勝つために競争力のある開発手法を採らざるを得ないのだ。
一方、日本でも開発競争力の必要な一部ユーザ企業では、アジャイル開発が取り入れられているが、オワコンと言われるSIerは変わろうとしていないところが多い。10年前から変わっていない。
なぜ、変わらないのか、それは必然性を感じてないからだと思う。
それは、そこまで熾烈な競争をユーザ企業がおそらく感じておらず、自分たちで面倒をみてソフトウェア開発をするよりも、これまで通りSIerに丸投げして高いけども仕様をきちんと固めなくてもなんか作ってくれて面倒を見てくれる方式がよいと感じてるのではないだろうか。
そして、SIer側も、人中心のアジャイル開発では、開発プロジェクト数をスケールさせられないし、やれる人もいない。昔よりは値段を叩かれる事が多くなったが、リスク分を多めに積んだこれまで通り高い見積もりをなんとか通して、協力会社さんに作ってもらうこれまでの方式がとれるなら継続したいと思っているのだろう。
SIerがオワコンと言われていることは書いたが、SIの内部には恐ろしいほど(上位層はどうかしらないが)危機感はない。ここも、SI内部では危機感はないのに、周りの人はSIerオワコン、大丈夫か、転職するしかないのではないか?みたいに心配してくれる状況が生じている。
結局のところ、SIer内部でも、この多段にリスクを積んで高い見積もりをユーザに出す開発がいまいちだと思っている人もいるけど、この開発を続けていけるだろうと思っている人も沢山いる。その鈍感力こそSIerならではのものだろう。
SIer が日本のソフトウェア開発を牽引しているわけではないと思うけど、ユーザ側、開発側の両方で変えていく圧力が働かないから、10年間、状況が変わっていないのではないかと思う。
そして、これを変えるには、外圧というか、ユーザ企業側で競争が激化して、変化に強いソフトウェアを作らざるをえないという状況がでてこない限りは無理なんじゃないかと思う。
ちなみにSIerであっても、アジャイルなマインドセット、すなわち「組織や個人が常に改善をし続ける」は歓迎される。いや、どの企業もカイゼン、カイゼンと叫んでいる。
しかし、管理職が多く間接費が高いSIerで、収益を簡単にカイゼンするには、開発コストを下げる。すわなち、安いパートナー会社やオフショア開発会社にお願いするしか無いという発想になっている。
この発想がSIerの価値をどんどん目減りさせてきていることにはなかなか気付いていないのではないかと思う。
どうすればよいのか、水から煮られたカエルが気付かずに茹で上がるように、終わりがくるまでなにもしないのか。
どうすればよいのか。
なにができるのか。
「レッドピル or ブルーピル?」
いろいろ、考えさせられるよい勉強会でした。
まとまってなくてすいません。
このような機会を与えてくださった。パネラーのみなさん@papandaさん、ありがとうございました。
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