生命保険のカラクリという本が期間限定でタダでPDFダウンロードできるので読んでみた。
ライフネット生命という生命保険を一緒に作った現在の副社長が書いた本で、ライフネット生命は生命保険の原価をはじめて示したことで有名になっている。
この本の宣伝文句にもあるけど、
日本の全世帯の9割が加入し、「住宅についで、人生2番目に大きな買い物」といわれる生命保険。1000万円近い「買い物」をしているのに、加入者はあまりにその仕組みや内訳を知らされていないのではないか?
確かに自分もあまり知らなかった。しかし、この本を読むと知らなくてよい世界ではないという気になってくる。
なんせ、
- 日本の税金による歳入とほぼ同じ45兆円をほこる市場規模
(日本人はあまりに保険が好き) - 普通の生命保険の手数料(掛け金から保険会社が受け取る金額)は何と35%〜65%
(あのアホみたいに当たらない宝くじでも50%程度で、それよりひどい原価率かもしれない)
ということは本にも書いてあるけど、貯蓄性の高い保険なんてあり得ないと考えてよいということになる(アフラックの11%くらい返ってくる学資保険は儲けを考えていない)。
なのに、生保レディーはこれまで掛け捨てでない貯蓄性のある保険を勧めてきたのだ。
自分たちも掛け捨ては何となく損かなと考えてきたけど、掛け捨ての保険はまだ合理的な保険の方らしい。
今はそれも下火になってきたので、生命会社が盛んにCMしているのは病気になったときにお金が出る医療保険だ。これにしても
- 日本の公的な生命保険はかなり手厚く、病気になったときに月額ある一定以上の金額は払う必要がない。必要になるお金は入院したときに個室などに入るための差額ベッド代くらいだと考えてもよい。
なんてことを考えると、医療保険にも入るくらいならその分を貯金しておいた方がよく、生命保険も最低限の掛け捨て保険に入っておけばよい。ということが分かってくる。
日本人は保険が好きなのに、保険の仕組みやどういう保険に入っておくべきかを真剣に考えてこなかった。
45兆円ものお金が生命保険に消えていき、その半分が生命保険会社に吸い取られていると考えると、そのお金を全く別のものに使うべきななんじゃないかと思えてくる。
で、その23兆円はどこに消えているかというと、保険会社でのもうけや保険の営業・調査・支払いなどにかかるオペレーション費用に消えているのだ。
保険の商品が複雑でそれくらいのオペレーション費用がかかるという話もあるが、個人と法人の所得税全てと同じくらいの費用がかかるというのは、どう考えてもかかりすぎだ。
保険は第3の金融機関と言われることがあるけど、上記のようにとても優秀な金融機関とは言えない、そんなところに日本人はお金を沢山預けてすぎているので、本来したいことが出来ない状況になっているのだ。
もっと、自分も含めて、日本人が、保険について、勉強して、考えて、適切に使う。
そうすれば、子供手当ての財源くらいさくっと出てくるような世の中になるような気がする。
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